あんと店が始まって以来、初めての取材
こんにちは、北陸を中心に展開するお菓子のセレクトショップ、je prends çaです。今回は、je prends ça金沢駅あんと店を飛び出し、当店でセレクト販売しているお菓子の作り手の元を訪れ、そのこだわりや想いについて取材してきました。 記念すべき第1弾の取材に快く応じてくださったのは、石川県野々市市にお店を構える『エクラタン』さんです。初めての取材で緊張していた私を、髙村社長が優しい笑顔で「見やすいところまでどうぞ」と迎えてくださり、その心遣いに緊張がほぐれました。
こだわりなめらかクリームの “五郎ちゃんロール”
今回ご紹介するのは、石川県特産のサツマイモ、五郎島金時をたっぷり使ったロールケーキ、”五郎ちゃんロール”です。五郎ちゃんロールの特徴は、五郎島金時を使ったスイートポテトに、バニラビーンズ入りのカスタードと生クリームにラム酒を加えたなめらかなクリームを、サツマイモの皮に見立てたココアスポンジで巻いていることです。スポンジとマッチした口溶けの良いなめらかなクリームは絶品です。
焼き芋に見立てたロールケーキ
髙村社長と専務の健太郎さんの2人が、ふんわりと焼き上がったスポンジになめらかなクリームを手早く塗り広げると、あっという間にロールケーキが出来上がります。「わざとしぼませることで見た目もサツマイモのようにするんだ」と話しながら、くるっと包み、ラップの端をキャンディのようにねじって仕上げていきます。「ケーキの仕上げに巻く紙 は焼き芋の雰囲気を出すために良かったんだが、紙で巻くのは難しかったので、結局は透 明のセロファンに英字が書かれたものにしたんだ」ともおっしゃっていました。 焼き芋に見立てた五郎ちゃんロールは、作り方はもちろん、ラッピングにまでこだわる社長の思いが込められています。手に取ったお客様にどう喜んでもらえるかを真剣に考え、試行錯誤の末に生まれた一品です。
元々はフランス料理のシェフを目指していた
ケーキが仕上がったところで、髙村社長にいくつか質問をさせていただきました。
Q1:お店の名前の由来は何ですか?
「エクラタンはフランス語で“輝く”という意味です。お客様が店を訪れるとき、ケーキを 買うとき、食べるとき、そして作り手がケーキを作るときに笑顔が輝くようなお店を目指 して、エクラタンという名前にしました。」
Q2:パティシエを目指したきっかけは何ですか?
「元々はフランス料理のシェフになることを志し、150年余りの歴史がある東京上野のフランス料理店“上野精養軒”で修行を積みました。上下関係が非常に厳しいフランス料理の世界で、お客様をもてなす“上質なサービス”を学び、そんな中で同僚と話をするうちに パティスリーの世界に魅力を感じ、パティスリーの道へ進みました。」
Q3:スイーツを開発する際に心がけていることや、意識していることはありますか?
「まずは色合いを大事にし、そこにさまざまな食感を加え、トータルバランスを考えた上でプラスワンの美味しさを意識しています。」
Q4:シェフのスペシャリテを教えてください。
「お店の名前を冠したショートケーキ、“エクラタン”です。使用する生クリームはオリジナルブレンドで、北海道の阿寒湖の牧場で生産された生乳の生クリームを配合しています。添加物を使わずに焼き上げたスポンジもこだわりの一つです。」
オーナーのお人柄、あたたかみが伝わるお店
お客様はもちろん、作り手の笑顔も大切にされているエクラタンの髙村社長。お菓子へのこだわりはすべて、お客様に喜んでいただくためのものだということを取材を通して感じ ました。髙村社長の優しい目元と丁寧な言葉が印象的でした。 お好きなスイーツは「道明寺の桜餅」と答える髙村社長。お菓子の食感を大事にしながら、プラスワンの美味しさを追求する髙村社長の姿勢が伝わってきました。 お忙しい中、取材を快く引き受けてくださった髙村社長をはじめ、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
文・写真 / 野口友里絵(ジュプランサ)
エクラタン
〒921-8001 石川県金沢市高畠2丁目
お菓子のセレクトショップ je prends ça 金沢駅あんと店
〒920-0858 石川県金沢市木ノ新保町1−1 金沢百番街あんと内