こんにちは、北陸を中心に展開するお菓子のセレクトショップ、je prends çaです。

実店舗では je prends ça金沢駅あんと店のみで販売しているお菓子、ダイケン商会の「アミュレイトサステナブルショコラクッキー」。その名前の通り、消費者の関心度が高い「サステナブル」なお菓子です。今回は、次世代に向けた商品のデザイニングを行うダイケン商会の商品に対する思いやこだわりについて取材を行いました。

今回快く取材に応じてくださったのはダイケン商会の山田大介さんです。まず初めに“AMULATE”（アミュレイト）のブランドが誕生したきっかけについて質問をしました。

Q1: AMULATEが誕生したきっかけについて教えてください。

A: ワンフレーズでお伝えすると、「自分たちができることをしたかった」という言葉になります。アミュレイトが生まれるまでは自社で製造は行なっておらず、メーカー様から原料を仕入れてお得意様にお届けする卸問屋業を中心に行なっていました。しかし、昨今の経済状況下で問屋として生き残っていくのが難しくなってきました。

その中で、時代に合わせて変化をしていかないといけない思いから「食品をデザインする会社」として転身を図り計画をしてきました。その一環でSDGsやCSR活動を積極的に進めている企業に感化され、「未来のためにできることがしたい」という思いから製造業として「アミュレイト」をスタートしようという流れになりました。最初から完璧なものはリリースできませんでしたが、完璧ではなくても「できることから始める」というのがキーワードになっております。

Q2: ロゴマークの由来について教えてください。

A: 継続性とお守り（Amulet アミュレット）を意味しています。モチーフについては著者ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」の中で主人公がつけている“アウリン”というお守りです。物語の中に登場する“アウリン”というお守りは、古代神話のウロボロスという二匹の蛇に似た龍がお互いの尻尾を噛んで繋がったモチーフになっています。ウロボロスには“連続性”や“輪廻”という意味があり、継続可能という意味のサステナブルと近いというところも、採用になった理由の一つです。蛇や龍には抵抗があったので、形状をモデリングして現在の形になりました。ブランド名“アミュレイト”という名前もロゴマークから着想を得ていて、Amulet(お守り）＋Chocolate(チョコレート）を掛け合わせて誕生した名前です。

Q3: サステナブルショコラクッキーの独特の食感、外がサクッ中がしっとりの食感が非常に美味しいと思っております。この食感にたどり着くまでのヒストリーを教えてください。

A: 「サステナブル」と謳っている商品は一般流通している原料の商品に比べ、価格がどうしても高くなってしまいます。かかってくるコストを消費者にどう受け取ってもらえるのかという部分が心配な部分でしたが、それでも「買いたい」と思ってもらうためにはどうすればいいか考え、単純に商品自体がサステナブルというバックグラウンドがなくても、買ってもらえるようにするのが一番だと考えました。その結果、納得がいくまでおいしさを追い求め、この食感、この味なら、例え高くても買ってもらえるのではないかと制作スタッフみんなで試作品を何度も何種類も作り、食べながら完成しました。山田さんのお話によると「制作スタッフみんながチョコレートが好きで濃いチョコレート感を出したい！」という意見が一致していました。その中で生地の約半分がチョコレートというリッチな構成になっています。「クッキーと謳っていますが、ほとんどがチョコレートなんです。」ともおっしゃっていました。

Q4: 三種類あるフレーバーについて教えてください。

A: 全ておいしさを追求した結果ですが、商品を制作を進めていく中で外はサクッ、中はしっとりの食感を作ることに成功しましたが、もうワンランクアップした商品を目指して生地にチョコチップを加えてみました。生地にチョコチップの食感が加わることで、スタッフ内からいい意見が飛び交うようになりました。チョコチップを使わなければ、１００％サステナブル商品になるけれど、おいしさを求める中でチョコチップの食感は譲れませんでした。

今ある３種類の他にも「苺」、「レモン」、「紅茶」とさまざまなフレーバーで試作を重ねましたが、最終的に満足する味に辿りついたのは現在の「チョコチップ」「オレンジ」「コーヒー」の３種類になります。フレーバーに合わせてクッキーの原材料の配合も調整を行っています。

Q5: アミュレイトという商品を通して、お客様に一番伝えたいことは何ですか？

A: アミュレイトという商品をきっかけに、サステナブルをもっと身近に感じてもらいたいと考えています。おしゃれなお菓子を買ったら、美味しいお菓子を買ったら、たまたま「サステナブル」に配慮された商品で、アミュレイトをもらった人、食べた人が小さな喜びを得ることができ、私たちは地球にちょっと良いことができる。小さな「ありがとう」の気持ちが各地へ広がり、大きな「ありがとう」になれば、こんな良いことはないと思っています。

また、完璧な形ではなくても、勇気を持って一歩踏み出すことが大切だという事を私たちが歩んでいくことで伝えられたらと思っています。

山田さんから話を聞くほど、商品誕生までに相当な時間がかけられたように感じますが、年末に製造を行うというお話が出てから、年明けにすでに販売が決まっていたそうです。「制作にかけた1日あたりの時間は長いですが、タイトなスケジュールでリリースに至った」というお話を聞いた時は信じられない気持ちでいっぱいでした。タイトな制作スケジュールの中でも「制作にあたるスタッフみんなの前進する思いが繋がった」という山田さんの言葉が取材の中でとても印象に残りました。

あえて１００％サステナブルな商品とは謳わず、形になった「サステナブルショコラクッキー」の誕生秘話から「完璧な形ではなくても一歩踏み出すこと」の大切さを学ぶことができました。私自身、「サステナブル」という言葉に対する思い込みで、ハードルの高さを感じていましたが、気軽にできることから取り組むことこそが、日常に自然と浸透して持続可能な社会につながっていくものだと思いました。サステナブルをはじめから意識せずとも、アミュレイトのブランドコンセプトである「かわいい」「かっこいい」から始めるサステナブルは、とてもカジュアルで、これからの時代を担う世代にぴったりの入り口ではないでしょうか。

POP UPイベントのご案内

今回取材したダイケン商会の「アミュレイトサステナブルクッキー」のPOP UPイベントを2024年8月30日（金）～9月5日（木）までの7日間、je prends ça あんと店で行います。イベント期間中、「チョコチップ」「オレンジ」に加えて、je prends çaあんと店初登場の「コーヒー」フレーバーも登場します。今回のイベントに合わせ、金沢限定デザインパッケージの販売も予定しております。当店限定販売の特別なお菓子をぜひ店頭でご覧ください。